(37)第36の出動:R174とうとうゲット


1997年3月29日(雨)

########## 決断の節 ##########

夜遅く国道MLで情報キャッチ。 望みの物が税関前交差点の阪神高速高架下に存在するという。 衝撃をうけた私はすかさず時刻表をめくった。 三ノ宮まで行くのに時間的、費用的に最も効率の良い手段、 そう、夜行バスの座席を確保するためだ。 必要なページのコピーをとり帰宅する。

「土曜日ちょっと一人で出かけてきてもいい?」帰宅と同時に妻に切り出す。 「いいよ、今度はどこまで行くっていうの?」「神戸」「また?今度は何よ?」 「ちょっとね、情報が入ったのよ…」 おおよその事情を説明する。 「で、夜行バスで行くから、18切符だとキツイからさ」「18切符にしなよ、根性ないわね」 いや根性云々ではなく時間的にうまい電車がないんだよ。 さっそく各社に電話するがどこも営業時間外で切符入手は不可能だった。

朝一で海浜幕張駅のみどりの窓口へといきたい所だが昨年7月20日の教訓があるので平常通り家を出る。 ここでまた交通事故になど遭っていられない。 今夜のドリーム神戸はギリギリ残り席が1席だけ空いていた。 すかさず乗車券を確保、往復で 15350円はちょっぴり痛い。 かくして二週続けの神戸行きは現実的になった。

########## 出発の節 ##########

コンビニの前でトラックとタクシーの衝突事故を目撃。 それはさておき6時半に退社。 バスは八重洲口22時40分発、21時に家を出て海浜幕張21時35分の京葉線という予定だ。 2時間半で、荷づくり、夕食、入浴をすませ、ちょっとだけFFをやって、予定通り家をでる。 ドリーム神戸は増発3台編成になっていて3号車の8番C席が私に割り当てられていた。 一番へぼい車の後ろから3列目の道路窓側だった。 定刻通り東京駅を出発したバスに揺られてそのまま眠りの世界へと誘われていく私であった。

########## 達成の節 ##########

名神の工事渋滞によるらしい遅延で、目的地三ノ宮への到着は1時間ほど遅れ、午前8時半。 神戸は雨だった。その雨の中、駅前を港に向かって延びる道、通称フラワーロードを進む。 つい先週の金曜に歩いたばかりの道だ。途中のローソンでビニール傘を調達する。

国道2号との交差点が税関前交差点だ。そこに目指すR174の標識が上下線各1つづつ立っていた。 今回の目的はこれをカメラに納めるだけのことだ。数分後に任務は完了する。時間にして午前9時。 帰りのバス出発の午後22時までの13時間、何をして過ごせばよいのだろう、途方にくれた。

########## 大阪の節 ##########

阪急の特急に乗ると十三に向かう。これが私の下した決断だった。 豊中の服部から吹田の江坂までR497を歩くためだ。もちろんR497の撮り直しがその理由。 しとしと降る雨の中を歩いていった。とある路地から本線へ右折したいおばさんの車の前を横切った。 おばさんはそろりそろりと右折、本線を直進してきた軽自動車がそのおばさんの車に衝突、ドガッ。 昨日に引続き交通事故発生の瞬間を目撃することになってしまった。 おそらく昨日も今日も現場に最も近い目撃者だったろうが、そんな事故はほっておき、 すぐに現場から立ち去る。雨の中それどころではないのだ。

道はすぐに豊中市から吹田市に入り、カーサにて食事にする。 週替わり定食を注文し1時間ほどのんびりする。すでに足がバテ気味だ。 地図を見ながら午後の過ごし方を検討した末、京都に行ってみることにした。 柄にもなく古刹巡りでもしてみようかという腹だ。 雨の上がった道を新大阪目指した。徒歩ではなく地下鉄で。

########## 観光の節 ##########

京都とて先週寄ったばかりなのであまり懐かしいという感じもないのだが、 車と徒歩ではずいぶん勝手が違う。 観光バスでも利用しようかと思ったが、意外に高いのでやめる。 徒歩で三十三間堂を目指した。まあまあすぐ着く。わらわらある国宝を拝んで歩く。 なにがなにやらチンプンカンプン。さっさと次の寺を目指す。

けっこう長い道のりを歩き、着いた所は清水寺、 有名な寺だが以前来たのは高校生の時、修学旅行以来だ。 雨だというのに観光客がやたら多い。外人の方が熱心に見学している。 ぐるっと巡っておしまい、次は銀閣寺へ向かう。 八坂神社を越えて祇園まで歩いたのだがそこでもう疲れて先に進むのが馬鹿らしくなる。 銀閣寺の後、金閣寺まで行って戻る予定だったが、市バスに乗り引き返すことに。

バスの中で、衝撃的な出来事が私を襲った。京都駅に向かうバスは結構混みあっていた。 私が立ったのはかなり前側の座席の脇、座席の背もたれに取り付けられた取手を握って立っていた。 とある停留所でその座席のお爺さんが下車、そこは空席になる。 私はすぐ下りるつもりだったため座らなかった。 私の後方に40歳前後の夫婦が立っていた。 ご主人が小声で奥さんに囁やいている、「そこに座らせてもらいなさい…」 奥さんはうなずき、おもむろに私に話かけてきた、 「Excuse me, may I sit down here ?」 な、なぜ、英語〜!おれは日本人だ〜!しかし英語には英語で応えねば、「Yep」。 奥さんは座った後旦那と日本語で喋っていた。 一体私はどこの人だと思われたのだろう? そんな疑問を抱きながら駅前をうろうろ歩きまわっていた。足が疲れる。

########## 入浴の節 ##########

京都駅前の京都タワーに入る。タワーもいいのだが今日はそれが目的ではない。 地下3階の「タワー浴場」での入浴のためだ。2時間くらい寛ぐつもりでやってきた。 手ブラで行っても何でも揃っているのがここの良い所だがそれなりに700円の入浴料を徴収される。 浴槽とサウナの往復を何度も繰り返し気分良くなる。 隣で体を洗っていたおじさんが話しかけてきた。今度はきちんと日本語だ、ほっとする。 「ここは、よくこられるんですか?」「いや、それほど」 「では、京都の方じゃないんですか?」「ええ」「どちらですか?東京ですか?」 「ええ、まあ、千葉です」「ほお千葉ですか、京都はいいですかね?」 「いいですね、何度来ても」 「初めてじゃないんですか、じゃあ、これから飲みに行かれるんですか?」 「いえ、帰るんです」「えっ、千葉まで帰るんですか」「ええ夜行バスで」 「バスですか、それで乗る前にのんびり寛いでるんですな、じゃあ気をつけてください」 やけに気のいいおじさんだった。

6時過ぎの新快速で神戸に戻る。 向かいに座ったお姉さんと酔っ払いのおっさんがなにやら険悪な雰囲気、 アカの他人同士だがどうもひと悶着あったらしい、 おっさんがいらぬちょっかいを出すのがお姉さんは気に入らない。 かなりヤバそう。チラチラ見てたらお姉さんに睨みつけられる。 ここは寝たふり寝たふりと思って目を閉じていたら本当に寝入ってしまった。 あやうく乗り過ごしてしまうところだった。

########## 映画の節 ##########

新快速とは便利な電車で京都―神戸間がたったの50分、7時前にもう三ノ宮にいた。 食事をしても3時間は潰し切れない、さてどうしたものかと思った矢先、阪急会舘が目に入った。 上映映画は、インデペンデンスデイ(ID4)と101。 ID4の方は今日がラスト上映らしく次の回からデビルらしい。 時間的にちょうどいいのでID4の方に入った。 席は一番前しか空いておらず非常に首と目が疲れたがなんとかこれで時間を潰すことが出来た。 映画館を出た後そこらで適当に食事を済ませてバス停へ向かった。 バス停には若者がいっぱいいた。

午後10時過ぎ、ちょっと遅れてバス到着、偶然にも行きと同じ車両。 席は斜め後ろの9番B席、中央だ。JRバスは窓際より中央の方が乗り心地がいい。 しかしまあそんなこと苦にならないくらい帰りは熟睡した。気がついたら霞ヶ関だった。

########## 海浜の節 ##########

東京駅八重洲口でバスをおり、京葉線で海浜幕張に向かう。 同じバスに乗って神戸から出てきた連中も、 他の夜行バスでいろんな所からやってきた連中もほとんどが京葉線に向かう。 目当てはTDLだろうか。 そんな中の中学生とおぼしき女の子たちが京葉線に向かう エスカレーターで「海浜幕張」の文字を指さしながらこんなことを 言っていた。「こっちの方向でいいんだよねえ、これなんて読むの かなあ」「ん、う〜ん、かいへいまくはり、まくはり、千葉だ、こ れであってるよ」おやおや”かいへいまくはり”かよ、確かにつく りは「兵」だけどな。そんな連中はみんな舞浜で降りていくのかと 思ったら半分は「かいへい幕張」までやってきた。メッセでなにか あるのだろうか?私は逆方向へ下りると車へ向かい歩いていった。 千葉の空は青く晴れ渡っていた。今日は花見にでも行こう。

走行距離:0km

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